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円盤型土製品にみられる縄文人の数字認識
 (浜黒崎野田・平榎はまくろさきのだ・ひらえのき遺跡)
 

 
浜黒崎野田・平榎遺跡出土の円盤形土製品について、藤田富士夫氏は縄文人が数字を表した珍しい遺物として注目し、数字配列を読み解きました。
土製品は、直径4.2cm、最大厚1.4cm、重さ26gの完形品で、表面は黒褐色を呈しています。垂下(たれさ)げの孔が2か所あけられており、製作時に紐の形を押し付ける行為があったようで、孔の縁に紐の痕跡が残っています。表裏には横方向の沈線で上・中・下の3区画を設け、断面が円形状の棒で押した列点(れってん)を区画内に付けています。
 
藤田氏は、配置された列点数の読み解き方を下図のように考えました。列点の中で最も深くて鋭さのある表側1を出発点として、表2→裏3→表4→裏5→表6→裏7→裏8→表9→裏10→表11と続き、表裏ともに33、合計66となるように配置されています。
藤田氏によると、このように縄文人の数字認識を読み解くことのできる遺物には、ほかに青森市三内丸山遺跡の土偶、魚津市早月上野遺跡の顔面土製品などがあります。
 
 円盤型土製品にみられる数字の読み解き方
 
 
円盤型土製品(表) 円盤型土製品(裏)
 
参考文献
藤田富士夫 2008「富山市浜黒崎野田・平榎遺跡の円盤形土製品について」
『富山市の遺跡物語』9 富山市教育委員会埋蔵文化財センター
(小林)


 
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