富山売薬が始まった江戸時代は、主に売薬商人の家で製薬していました。生薬を混ぜ合わせて丸薬を作る際に、色が付いた衣(ころも)を外側にまぶすことがありました。この作業は「衣掛け」といい、色をつけることを「打つ」といいました。衣と言うように、薬の外側に付着させ覆うとともに、色で区別する意味があります。
近代以降は材料や着色も変化し、薬にとって色のもつ意味や役割が多様化しました。さらにカプセルなど付属品や、パッケージほか製品全体に、豊富な色が用いられるようになっています。
本展では薬の「色」に着目し、その意味や役割をご案内しながら、江戸時代から使用された色に関連する製薬用具などを展示します。
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