安田城跡 歴史の広場

 
安田城跡歴史の広場の水堀で確認された水生動物 
再整備工事前の堀の自然環境を確認するため、令和4年度に魚津水族館と富山市科学博物館に生物相調査を依頼し、現在、その調査報告が令和5年度7月刊行の富山市科学博物館研究報告(※)にて公開されています。
※「2022年に確認された安田城跡(富山県富山市)の水生動物」『富山市科学博物館研究報告第47号』
http://repo.tsm.toyama.toyama.jp/itm/2145

調査は令和4年6月2日、6月20日、10月24日に行われ、確認された水生動物は20科37種でした。なかには『環境省レッドリスト2020』等に掲載されている在来種のトノサマガエル、イネネクイハムシ、ハネナシアメンボ、オオタニシなども含まれています。

調査風景
 
一方では、「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されているウシガエル、オオクチバス、アメリカザリガニといった外来種も、堀全域に多数確認され、定着していることが分かりました。

安田城跡の堀は、平成3年度の史跡整備によって復元されたものですが、これまでには12種のトンボが確認されるなど、整備後、多くの水生動物が棲みついていました。 近年は外来生物が増殖する悩ましい状況になっていますが、再整備事業で進めている堀の浚渫(しゅんせつ)によってなるべく駆除し、再整備後は徐々に在来種が生息する水辺環境を取り戻していくのが理想です。
堀の再整備をきっかけに、歴史学習のみならず、安田城跡の魅力である水堀を利用した環境教育など、史跡の活用の幅を広げていきたいと考えています。