安田城跡 歴史の広場

 
◆カキツバタの栽培と植栽試験
 
<令和7年5月9日>
つぼみが膨らんできました。
開花まであと少しです。
@植栽試験(堀南側)
 Aカキツバタ栽培(安田城跡資料館2階)
 
 
<令和7年5月16日>
植栽試験設備内にあるカキツバタの花が満開になりました。
<令和7年5月19日>
安田城跡資料館で栽培しているカキツバタの花が満開になりました。
 
カキツバタの根元では、
黒メダカが元気に泳いでいます。
 
 
◆再整備工事見学
 
令和7年11月8日土曜日、安田城跡で実施している再整備工事の現場見学を、安田城跡歴史講座の第2部として開催し、17名が参加しました。

安田城跡再整備事業では、事業の目的や効果について知っていただくため、年1回、工事現場を公開しています。

令和7年度は、堀の浚渫(しゅんせつ ※泥の除去)や護岸改修、土塁展示施設の防水工事を行っています。(図の水色の範囲)
   
まず最初に、安田城跡資料館前で、現場見学時の注意点を説明しました。

この日は現場作業を行っていない日でしたが、敷鉄板の上などを歩くため、参加者の皆さんに足元への注意をお願いしました。
   
工事期間中は、史跡保護のため、重機や工事車両が走行するルートに敷鉄板を設置しています。

参加者はこの上を慎重に通って、令和7年度の工事区に向かいました。
   
最初に見学した工事区は本丸南西の堀で、堀の泥の除去がほぼ終わり、護岸改修が進みつつある段階でした。

堀の中に入り、工事現場を間近にご覧いただきながら、護岸では木杭が腐食して漏水などの問題が起きており、再整備ではプラ擬木材などの現代資材を用いて長寿命化していることなどを説明しました。

普段は入ることができない堀の中から高さのある本丸土塁を眺め、城の防御性を感じていただくなど、工事期間中しか味わえない城の楽しみ方もできました。
   
次に、木橋の東側にある堀に向かいました。

この堀の工事は、泥を一部分のみ除去した段階であり、除去前の泥の厚みから過剰に繁茂したスイレン由来の腐植土がいかに厚く堆積しているかを確認しました。

再整備では、安田城の大きな特徴である水堀の景観を取り戻すため、浚渫(しゅんせつ)を進めていることを説明しました。
   
最後に向かった土塁展示施設では、防水工事のため、施設の両側に床掘(とこぼり)を行った状態でした。

まずは施設内にて、水の浸水による天井などの塗装の劣化状況を確認しました。

その後、防水機能が低下した原因となっている屋上のタイルや目地の劣化状況などを確認して、この後に予定している防水工事の説明をしました。
   
参加者からは、
「初めて史跡の整備工事を見た。」
「思ったより大変な工事だと感じた。」
「工事見学会は史跡を保護していこうという気持ちに繋がる。」
「再整備の内容がよく分かり、貴重な体験だった。」
「完成が楽しみ。」
などの感想をいただきました。
 
次年度以降の工事現場見学会の開催を望む声も多く、今後の再整備事業に関心をもっていただくことができました。
 
 
◆再整備工事(5年目)
 
(1)浚渫と堀護岸改修
堀の改修は令和7年度で4年目となり、全体の約75%の浚渫が完了し、水堀で防御した安田城跡本来の景観を取り戻しつつあります。
 工事前   完成
     
堀改修は複数年度にわたるため、これまでに完了した工事の経過を確認して、必要に応じて材料や工法を工夫しながら進めています。令和7年度は、次の点を変更しました。
 
@浚渫した泥の搬入方法の変更
これまでは泥の漏れを防ぐために大きな袋に詰める必要がありましたが、毎年工事中に堀の水を抜き天日乾燥を繰り返したことで泥の含水率が低下したため、令和7年度はトラックに直接積み込んで搬出することができました。
 A堀護岸の嵩上げ盛土の変更
護岸は、堀からあふれた水による土の流出を防ぐために盛土で嵩上げしています。この盛土にはこれまで改良土を使っていましたが、浸食が確認されたため、令和7年度は砕石に変更し、機械転圧ができるように幅を広げて強度を高めました。
 
(2)土塁展示施設の改修
施設の防御機能が低下し、浸水により室内の塗装の劣化が進んだことから、展示している土塁の剥ぎ取り断面への影響を防ぐため防水工事を行いました。


工事前   完成
 
工事では、劣化した外壁タイルを撤去し、モルタルで表面をならしたうえ、屋上や側面の上部に防水材を塗布しました。
施工は冬季だったため仮囲いを設置し、温風を常時送ることで積雪対策や温度・湿度の調整をしました。
防水材塗布後の埋め戻し作業では、土の流出を防ぐために6回に分けてしっかりと転圧を行い、表面には植生シートを敷きました。

特に土が流れやすい斜面部分には、さらに効果的な対策として、格子状の枠で土を固定するジオセル工法を用いて法面保護を行いました。
施工完了後には散水試験を行い、室内への浸水がないことを確認しました。
 
(3)その他
前述した工事に加えて、令和8年度予定工事の実施設計を作成しました。作成にあたっては、学識経験者で構成される安田城跡再整備検討会議から助言・指導をいただきました。