安田城跡 歴史の広場
夏休み子ども歴史講座
安田城跡歴史の広場では、夏休み期間中、郷土の歴史を子どもたちに楽しく学んでもらうため、歴史講座を2回開催しました。
1.秀吉と成政の戦いを見つめた城 安田城 ―学んだ歴史をレポートしよう―
平成27年7月31日(金曜日)、小学4年から6年生約30名が安田城の歴史や特徴について学び、歴史新聞づくりに取り組みました。
講師を務めたのは、新庄北小学校の笹原克彦教諭と神通碧小学校の堀泰洋教諭です。

1.お話とDVDで学ぶ
まずは資料館で、安田城はどんな城であるかを映像で学びました。
参加した子どもたちは、安田城が教科書にも登場する秀吉の全国統一とも関係する城であることを知って驚いたようです。

2.フィールドワークで学ぶ
その後、外回りコースと内回りコースに分かれて、お城の探検に出かけました。
 
A.外回りコース

(1)土塁は、高くて急傾斜でのぼりづらく、土塁の上からは侵入しようとする敵が丸見えになることが分かりました。土塁の役割が、曲輪の内部を防御することにあったことを実感しました。
(2)北西の呉羽丘陵山頂にある白鳥城跡、北東方向にある富山城など、安田城と関わりのあった他の城との位置関係を確かめます。
(3)城跡を約20分かけて一周し、自分の足で大きさを体感します。
ぐるっとめぐる堀が城全体を守っていて、出入り口は一箇所しかないことも分かりました。

B.内回りコース

(1)展示室で、出土品を見学しました。灯明皿や杯として使われた多くの「かわらけ」から、武将らが夜な夜な作戦会議をする姿を想像しました。
(2)野外模型で安田城全体の構造を確認。
皆熱心に先生の解説に耳を傾けながら、「探検ノート」にメモしたり、写真を撮ったりしていました。
(3)敵兵になったつもりで、右郭から二の丸、本丸へと、土橋を渡って進んでいきます。安田城のような曲輪を土橋でつなぐ構造は、土橋を渡る敵兵を土塁の上から狙い打ちできるように考えられたものであることを学びました。
(4)土塁展示施設で、土塁のはぎとり断面を観察。土を何層にも高く積み重ねた状況から、強い土塁を築こうとした当時の人々の知恵と苦労を感じとります。
3.歴史新聞にまとめよう!
最後に資料館にもどって、学んだことを新聞にまとめました。
フィールドワークで見てきた安田城跡の特徴を思い出しながら、分かったことや感じたことを記事すれば、オリジナルの歴史新聞のできあがりです。

子ども達からは「城や戦いについてもっと詳しくなりたい」「新聞は夏休みの自由研究にしたい」という声も聞かれました。郷土の城や歴史の素晴らしさに気づき、探究心を高める良いきっかけとなりました。
   
2.富山城櫓御門(やぐらごもん)のペーパークラフトをつくろう
平成27年8月12日(水曜日)、安田城跡資料館で児童と保護者25名が、富山城の二の丸にあった二階櫓門のペーパークラフト工作に挑戦しました。最初にまず二の丸櫓門についての解説を聞き、富山城の中枢を守る重要な役割を果たした門であったことや、櫓門の石垣が富山市大手町交差点付近で発見されたことなどについて学びました。

ペーパークラフト工作では、屋根などの細かいパーツの切り貼りに苦労している様子でしたが、それぞれに家族と協力しながら順番に組み立てていきました。

約1時間あまり真剣に取り組んだ後、幅30cm、奥行き20cm、高さ9cmのミニ櫓門が完成しました。

参加者はできあがった作品に満足した様子で、「家の玄関に飾る」と話す親子もいました。親子で楽しく歴史に触れた、夏休みの1日となったようです。