【広報とやま 令和5年(2023年)3月5日号】
アメイジングトーク㉗ | 語る! 深める! |
旧小羽小学校でのそば打ち体験の様子
富山県出身ですが、幼少期に両親と関東に移り、長く都市圏で暮らしていました。しかし、都会生活に疲れ、子どもができたことをきっかけに移住を考え始めました。そんな時、友人に誘われて大沢野
移住者にとって地域の人間関係も気になる点ですが、小羽は昔から移住者が多い地域だったことも幸いでした。多様性を認めてくれる開かれた地域だったからこそ、すんなり溶け込むことができました。
私が移住してすぐに事務局を務めることになった「NPO法人こば」は、小羽小学校の閉校が決まった際、地域住民から校舎存続運動が起こり、その管理のために2010年に設立されました。当初は、NPOが中心となり、自然体験教室や婚活イベントなど、空き教室や里山を活用したさまざまな催しを企画し、地域活性化に取り組みました。
しかし、交流人口は増えたものの、小人数での運営はとても大変でした。地域活性化のために無理をし、活動疲れをしてしまっては本末転倒ですし、持続的ではないと感じるようになりました。そこで数年前に、私の発案でNPO主体のピラミッド型の組織から、旧小羽小に魅力を感じた人に団体会員となって利用してもらうネットワーク型組織へと転換。現在は、カフェやショップが開かれている他、ライブ、ドローン教室、撮影会、イベントなどでも利用され、地域住民だけでなく、地域外の人にとってもコミュニティーの場になっています。誰でも自由に、自分の好きなことを楽しんで発信してもらうことで、地域外からも自然と人が集まるようになり、にぎわいが生まれています。
地域コミュニティーの拠点になっている旧小羽小学校にて
平沢 義孝(ひらさわ よしたか)さん
富山県黒部市生まれ。「NPO法人こば」事務局長として、旧小羽小を拠点に地域コミュニティーの醸成に取り組んでいる。
設立から10年以上地域と共に活動する中で、私たちの活動も広く認知されるようになりました。住民も移住者の視点で自分たちの地域を見ているうちに、当たり前だった里山の価値や豊かさに気づきはじめたように思います。最近は、小羽に定住する若者世帯が増え、子どもの数が増加していることもうれしいです。
少子高齢化が急速に進む日本で、地方の人口減少は避けられません。しかし、それを悲観的と捉えず、誰もが誇りを持って楽しく生きられる地域づくりをすることが、これからの里山再生や地域活性化への楽しい取り組み方だと考えています。
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この連載では、富山で活躍するさまざまな方の「アメイジング(驚くほど素敵)」な富山について掲載しています。