
江戸時代初期に位置する寛永文化は、茶の湯の歴史の中でも華やかな世界です。
安土桃山時代に千利休により大成された茶の湯は、古田織部や細川三斎へと伝わ
りました。江戸時代になって、織部の弟子であり、幕府の作事奉行として多くの
建築や造園に携わった小堀遠州は、武家の茶をおしすすめ、「綺麗さび」と呼ば
れる美意識がうまれました。
一方、京の都では、後水尾天皇を中心とした宮廷や上層町衆の中に一種の文化サ
ロンが生まれ、金森宗和は武家出身の覇気を秘めながら優美繊細な茶の湯を展開
させ、宮廷の茶に影響を与えています。また利休の茶を継承した千宗旦は、千家
の茶の湯を確立させました。
この展覧会では、寛永文化に象徴される江戸時代初期に視点をすえ、ゆかりの道
具によりその時代の茶の湯を俯瞰します。さまざまに展開する茶の湯の世界を楽
しんでいただく機会となれば幸いです
◇ 会 期 平成30年10月6日(土)~11月4日(日)
※会期中無休
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
→交通アクセスはこちら ◇ 観 覧 料 一般 500円 高校生以下無料
2階展示

◇◇主な作品◇◇
一行書 国光発於美術 松村謙三
叙勲祝画賛 佐藤助庵宛 翁久允
虫籠花入 池田瓢阿
茶杓 銘 清泉 裏千家14代淡々斎
天目茶碗 銘 楡 小山冨士夫
斗々茶碗 石黒宗麿 ほか
◎佐藤助庵にゆかりのある作品も展示しています。