
いきものの姿は、古くから絵画や工芸品などのモチーフとして取り上げられ
てきました。身近で愛らしい兎や猫や鳥、人とともに暮らしてきた牛や鶏は、
今も昔も親しみをいだく存在です。また、猛々しい虎や獅子、さらに想像上の
いきものである龍や鳳凰には、自然を超えた畏怖すべき対象としてあらわされ
ています。
そして、同じいきものであっても真に迫るほど精細に描かれたものや、簡略
化・意匠化され、どこかユーモラスなものなど、それぞれに異なる表現を見出
すことができます。
こうして写されたいきものの姿は、ただ単にいつくしみ愛でたり、崇めるも
のだけではありません。兎は、多産なことから〝子孫繁栄"、虎には、勇猛な
姿から"力や権力"を象徴し、そのモチーフには実は、人々のいろいろな願いが
こめられているのです。
この展覧会では、いきものをモチーフとした絵画をはじめとして、陶磁器・
漆工品・金工品などを展示します。制作地は日本・中国・ベトナム・タイ・カ
ンボジアなど、広範な地域と時代にわたっています。展示作品を通して多彩な
いきものの造形を楽しんでいただくとともに、表現に込められたさまざまな願
いを探る機会となれば幸いです。
◇ 会 期 平成29年7月15日(土)~10月1日(日)
◇ 休 館 日 7月20日(木)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
→交通アクセスはこちら ◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料
【この企画は終了しました】