浮世絵版画は、江戸時代の庶民が生み育てた絵画です。高価な肉筆画ではなく、安価な版画で制作されたことにより、庶民が享受できる絵画が初めて誕生しました。
富山町では、浮世絵版画が売薬進物として取り入れられたことにより、江戸時代後期の天保年間(1830~44)頃には活発に版行されるようになりました。この富山浮世絵版画は、当時、錦絵や絵紙などと称されていましたが、主な用途が売薬進物であったため、現在では「売薬版画」と呼ばれています。
明治20年代に入ると、東京では江戸時代以来の浮世絵版画の衰退が目立ち始めましたが、富山では売薬版画の版行がピークを迎えようとしていました。当時は、政府の洋薬尊重政策により打撃を受けた富山売薬が低迷を抜け出し、再び成長しはじめた時期にあたり、関連産業である売薬版画も活況を迎えようとしていたのです。
それに合わせるように明治23年頃、富山に移り住んできたのが、新潟出身の絵師、尾竹国一(後の越堂)です。明治32年に富山を離れるまで、役者絵を中心に多数の作品を手がけ、明治時代の売薬版画を代表する絵師となっています。また、その経歴は浮世絵の終焉期とも重なっており、豊原国周や小林清親らとともに、「最後の浮世絵師」と呼ぶことができるのです。
今回は、国一が描いた役者絵を中心に、売薬版画など約30点を展示します。「最後の浮世絵師」尾竹国一の富山での仕事ぶりをぜひご覧ください。
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会期 平成30年2月3日(土)~4月15日(日)
開館時間 9時~17時(入館は16時30分)
休館日 3月12日(月)
観覧料 大人210円(160円) 高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※この料金で常設展もご覧いただけます。
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展示解説会 2月25日(日)、3月18日(日)、4月15日(日)
各日 午後2時より
場所 郷土博物館展示室
申込不要・参加無料(入館料が必要です)
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チラシ表 / チラシ裏
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この春、尾竹三兄弟の作品を見に、博物館・美術館めぐりをしませんか?
富山県水墨美術館「生誕140年 尾竹竹坡展」
尾竹国一の弟竹坡(ちくは)の初めての回顧展。その画業の全体像を、初期から晩年までの代表的な作品で紹介します。
会期 平成30年2月16日(金)~3月25日(日)
休館日 月曜日、3月22日(木)
観覧料 一般900円、大学生650円
詳細はこちら(富山県水墨美術館のページが開きます)
富山市佐藤記念美術館 企画展「富山ゆかりの絵画」
富山にゆかりのある絵師・画家の作品を展示する企画展。本展では、郷土博物館が所蔵する竹坡の「春農家」(初公開)と末弟である国観(こっかん)の「浄火・満潮」など3点の尾竹作品と、さらに国一の弟子金森観陽の作品も紹介します。
会期 平成30年2月24日(土)~4月22日(日) 会期中無休
観覧料 大人210円(郷土博物館との共通券は310円)
詳細はこちら(佐藤記念美術館のページが開きます)
以上のほか、こちらの館でも尾竹三兄弟の作品が見れます!
薬種商の館 金岡邸「富山の売薬とおみやげ文化展」
売薬進物を紹介する展覧会。尾竹三兄弟が手がけた売薬版画4点も展示します。富山売薬のおみやげ文化の中での仕事を見てみてください。
会期 平成30年3月7日(水)~3月21日(水)
休館日 火曜日
観覧料 一般200円
詳細はこちら(金岡邸のページが開きます)
富山市売薬資料館
尾竹三兄弟がそれぞれ手がけた売薬版画3点を展示しています。300年余りの歴史を誇る「富山売薬」の歴史とともに、兄弟の作品を見てみませんか!
休館日 5月13日(日)まで休館日はありません
観覧料 大人100円
詳細はこちら(売薬資料館のページが開きます)
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