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砂岩は、薮田石・太田石など氷見・高岡海岸部に所在する石灰質のものを除き、各地に普遍的に存在する石材です。今回調査で、複数の種類の砂岩が利用されていることが明らかになりました。 |
1.新たに詳細がわかってきた「井波石」 |
庄川流域から神通川下流域にまで広域に分布しています。天保年間に金屋石(凝灰岩)が採掘されるまで、金屋石に先立つブランド品であったと思われます。担い手は庄川石工等でした。文献資料が残されており、今後石切り場を探す調査が必要です。 |
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2.常願寺川から上市川に存在する未命名の砂岩 |
原産地は特定しておらず、この領域のどこかに存在すると思われます。今後の調査が必要です。 |
分布域は井波石や猪谷石より狭く、地域色の濃い石材といえます。 |
製作の担い手は、常願寺川石工・上市石工です。 |
石切場が特定されれば石の名称を付けたいと思います。 |
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3.猪谷石 |
神通川上流産で、神通川中・下流域では右岸に主に分布します。東は2の地域にもわずかに広がりが見られます。担い手は神通川石工・常願寺川石工で、大型品は常願寺川石工による出張製作によるものも見られます。このような関係から常願寺川石工の膝元でも猪谷石が使われたのでしょう。 |
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近年移住に伴う墓地の移動で、当時の分布域と異なる場合が発生しており、注意が必要です。 |
(古川) |