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魚津市上市町境を流れる早月川は、古くから花崗岩産地として知られていました。上流部に石切場が残されています。大型石造物は岩塊から切り出された可能性がありますが、現在確認できるのは、旧河川敷に存在する巨大な転石から割取った跡で、石材には小さな矢穴痕跡が見られ、明治以降であることがわかります。1970年大阪万博時にもここから石垣石材が搬出されたと伝えており、昭和後期まで使われていたようです。 |
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江戸時代には、富山城石垣の花崗岩のほとんどがこの早月川産とみられており、鏡石と呼ばれる巨石の一部も早月川産と推定されています。 |
慶長10年(1605)加賀藩主前田利長が隠居城として富山城を築城したとき、近江坂本出身の穴生又助が穴生役として石垣築造を担当しました。このとき約20km離れた早月川河川敷の河川礫を現地で割り、城まで運んだと推定されます。 |
慶長14年に築城された高岡城石垣にも、早月石が使われました(高岡市教委2013)。 |
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帯磁率計測は、現在、産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 長秋雄氏により行われているため、成果を待ちたい。 |
(古川) |