本丸の発掘
本丸北東部の発掘(2013年度調査)
   
平成25年度に城址公園北東部で調査を行いました。江戸時代に存在した本丸御殿の北東側にあたります。
 
標高約10mの現地表面から約7.9mまでの間に、江戸時代を中心とする4層の遺跡面があり、盛土造成を繰り返し行いながら整地を行った過程がわかりました。
江戸時代後期の層からは川原石を組んだ溝が見つかりました。搦手門からめてもんへ向かう通路の側溝の可能性があります。
調査区の全景 石組みの溝
調査区の全景 石組みの溝
この溝の直下にあった直径3m、深さ1mを超える大きな穴の中からは、赤く焼けた石が多数出土しました。建物等に使われていた石材が火災に遭い、まとめて廃棄されたと考えられます。
 
最下層では戦国時代の井戸が見つかり、底面に直径約0.6mの水溜みずため用の曲物まげものを設置していた痕跡がありました。
 
戦国時代から江戸時代までの変遷が細かくわかる重要な成果となりました。
(野垣)
焼けた石を廃棄した穴
焼けた石を廃棄した穴
戦国時代の井戸
戦国時代の井戸