|
出土品は、背割下水や町屋敷を中心に、陶磁器のほか、硯・石臼・煙管・鎌・鋏・包丁・下駄・漆器・箸・羽子板など、町人の暮らしぶりがわかる多様な資料があります。 |
特に下駄はごみ穴から多く出土しました。台と歯を別木で作る差歯下駄が多く、一体で作る一木下駄が少数あります。漆を塗った高級品も存在します。歯が大きくすり減ったものがあり、使い古した下駄をごみ穴に捨てたと考えられます |
当時食べられた貝類や魚類の骨も出土しました。マダイの頭蓋骨には兜割りによる切断痕があり、兜煮や鍋などの料理に用いたようです。家畜とみられるイヌやニワトリの骨もありました。 |
本調査地は、鞴の羽口や鉄滓などの鍛冶関係の遺物が多く出土し、約100m東側で行った2005年度調査でも同様の遺物が集中して見つかっています。一番町周辺では各商家が商売に必要な道具を自給的に生産する小規模な鍛冶を行っていたと考えられます。 |
(野垣) |