富山市埋蔵文化財センター


Center for Archeological Operations,
Board of Education,Toyama City

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埋蔵文化財包蔵地内で開発行為を予定のみなさんへ
(自己用住宅建築以外の開発)

−埋蔵文化財の保護にご協力いただくために−




1.「埋蔵文化財まいぞうぶんかざい」とは
わたしたちが生活している場所には、地下に、貝塚かいづか古墳こふん集落跡しゅうらくあと城跡しろあとなど古代の遺跡いせきが埋もれていることがあります。
このようなところからは、わたしたちの祖先が使っていた土器どき石器せっき木器もっきなどの道具(これを「遺物いぶつ」といいます。)や、住居跡じゅうきょあと・お墓などの痕跡こんせき(これを「遺構いこう」といいます。)が出て きます。

これら地下にある遺物・遺構のすべてをまとめて「埋蔵文化財」といい、これを含む土地をさして「遺跡(埋蔵文化財包蔵地まいぞうぶんかざいほうぞうち)」とよんでいます。
国で定めた『文化財保護法ぶんかざいほごほう』という法律では、このような祖先の残してきた貴重な財産である「埋蔵文化財」を、郷土 の歴史を正しく理解してもらうために、今後も守り続けることが、現代 に生きるわたしたちの責任であると述べています。

かけがえのない埋蔵文化財が、まちがっても破壊されることのないよう、わたしたちは十分注意 しなければなりません。



2.「埋蔵文化財を守る」とは
さて、あなた(事業者)が工事を計画されている土地は、すでに周知の埋蔵文化財包蔵地として『富山市遺跡地図』に登載とうさいされています。
ここで工事を行うことによって、地下にある「埋蔵文化財」が破壊されてしまう危険性があります

危険を及ぼす工事とは、掘削くっさく工事による造成ぞうせい、約3m以上の盛土もりどによる造成、地盤改良を伴う工事、家・車庫・倉庫など深い基礎きそのある建築物、路盤ろばん改良を行う道路や駐車場の造成などをいいます。

「埋蔵文化財」は一度壊されるともう二度と復元することはできません。工事を行うことによって祖先の残した貴重な文化財は、その歴史的・文化的な価値が明らかにならないまま失われてしまい、将来に伝えていくことができなくなってしまいます。貴重な埋蔵文化財を保護するため、教育委員会では皆さんのご協力を得て、調査などの措置そちを講じています。



『富山市遺跡地図』の埋蔵文化財包蔵地内で開発行為を行おうとするときは、以下の書類を提出してください。

開発計画が立案段階の場合
「埋蔵文化財の情報提供依頼書」および計画位置図(住宅地図などに計画位置を記入)

開発計画が確定している場合
「埋蔵文化財の所在確認依頼書」および工事位置図・工事計画図(基礎工事を行う場合、その断面図)

「埋蔵文化財の所在確認依頼書」の様式は市埋蔵文化財センター窓口や市役所7階生涯学習課窓口、富山市役所ホームページ「申請書ダウンロード」から入手できます。
「富山市遺跡地図」は市埋蔵文化財センター窓口や市役所生涯学習課窓口、インターネット「インフォマップとやま」から閲覧できます。

《ご注意ください》
  『富山市遺跡地図』の内容は、調査によって遺跡範囲が随時変更・追加されています。富山市埋蔵文化財センター窓口や市生涯学習課窓口、「インフォマップとやま」で公開している最新の情報が反映された遺跡地図で最終確認していただくことをお願いしています。



3.「試掘・確認調査」について
 
(1)「試掘調査」と「確認調査」

教育委員会では、事業者が工事を計画されている土地を埋蔵文化財包蔵地と認めていますが、実際に発掘調査はっくつちょうさをして地下のようすを調べたわけではありません。
したがって、本当に地下に埋蔵文化財があるかどうか(試掘調査)、どの範囲 や深さにどのような性格の埋蔵文化財があるのか(確認調査)を工事に先立って把握はあくする作業 が必要になります。 試掘調査の様子
試掘 調査の様子
作業は、機械や人力で溝を掘り、丹念に地下のようすを調べます。試掘のみぞは全体の面積の約5から10%を目安とし、それで全体 を推定することになりますので、なるべくたくさんの が開けられる状況が必要です。
遺跡の範囲 は、実際に地下を調べることによって広がることもあれば、小さくなることもあります。そのため、調査範囲 は原則として事業者が工事を計画されている予定地全てが対象となります。

試掘調査 地表面の観察からでは判断できない場合に行う埋蔵文化財の有無を確認するための部分的な発掘調査 
確認調査 埋蔵文化財包蔵地の範囲・性格・内容等の概要までを把握するための部分的な発掘調査
 (文化庁通知より)


(2)「試掘調査」
調査の内容
「試掘・確認調査」は、教育委員会が行います。その際に事業者が調査を承諾しょうだくしたことを証明する『試掘・確認調査の承諾書』が必要となりますので、趣旨しゅしをご理解のうえ捺印なついんをお願いします。また、工事が始まる60日前までに工事の届出とどけで(文化財保護法第93条による届出書)も必要です。 
「試掘調査」には、半日(小規模な開発)から数日程度(中規模以上の開発)を要しますが、面積が広い場合には、相当な期間が必要です。

費用(掘削重機代等)について
1,000平方メートル未満(1日程度)の小規模開発の場合は、原則として公費負担となります。 

  1,000平方メートル以上の中から大規模開発の場合は、「所在確認依頼書」提出を受けた後、調査費用積算の手続きを開始します。調査費が確保され次第実施しますので、着手までに時間のかかる場合があります。
ただし、事業者側の都合で、早急に調査を希望される場合は、調査費用の協力があれば早期に調査対応することは可能です。
なるべく、事業計画の前年度の10月までに「所在確認依頼書」の提出をお願いします。


(3)「確認調査」の費用について
「所在確認依頼書」提出段階で、工事計画に変更(建物位置や基礎工法、盛土の深さの変更などによってみつかった遺跡を保護することができる)の余地がない場合の調査は、「確認調査」(発掘調査の基礎データを得るための事前調査)と位置づけられます。この場合は、事業者側での調査費用の協力をお願いします。

「所在確認依頼書」提出段階で、「試掘調査」後の工事計画の変更の余地がある場合、遺跡の有無を判断する「試掘調査」までは公費負担で実施します。ただし、「試掘調査」の結果、遺跡が発見され、工事計画との調整(「4.埋蔵文化財が発見されたら」を参照)を行っても、やむを得ず遺跡の保存を行うことができないと判断された場合は、発掘調査が必要となります(「5.発掘調査について」参照)。この段階で、発掘調査が見込まれる部分の「確認調査」を実施します。この場合は、事業者側での調査費用の協力をお願いします。試掘調査で埋蔵文化財が発見された場合には、文化財を保護する必要から、発見された埋蔵文化財を保存するにはどうしたらよいかを工事計画とすりあわせなければなりません。



 4.埋蔵文化財が発見されたら

試掘・確認調査で埋蔵文化財が発見されたときは、その保存を図るため、次にあげるいずれかの措置を講じる必要があります。
(1) 計画地の変更(場所を他に求める)
(2) 計画内容の変更(建物等の位置をずらす、基礎工事の工法を変更する、盛土の厚さを厚くするなど、工事内容によって異なります)
計画の変更にもかかわらず、やむをえず埋蔵文化財に支障ししょうを及ぼす場合には、「富山県発掘調査等対応基準」に基づいて詳細な発掘調査を行い、写真や図面など記録として保存しなければなりません。
発掘調査は、住居跡や窯跡かまあとなど遺構の一つ一つを慎重に人力で掘り進めるため、かなりの期間(数か月から数年)と調査経費がかかります。
文化財保護法第93条の2の規定に基づいて、開発を行う事業者が発掘調査を行うことになっています。
しかし、調査には専門的な知識と技術が必要ですから、教育委員会などがかわって調査することになります。このため、「文化財保護法第99条の3」の規定に基づいて、事業者の方には調査に対し、経費や期間についてのご協力をお願いしています。
やむをえない場合、発掘調査を行って記録として保存できますが、貴重な文化財を後世に残すようにするのが、現代に生きるわたしたちの努めです。
 


 5.発掘調査について
やむをえず発掘調査を行うことになった場合は、調査に要する期間を工事の工程の中に十分組み入れた上で、工事計画を立ててください。
発掘調査経費の負担は、次のとおりお願いしています。

1. 個人が自己居住用の住宅として建築する住宅以外の工事で、営利を目的としないと教育委員会が認めた場合の工事は公費で負担します。 
2.  1.以外の工事は、事業者の負担となります。

ただし、調査規模により調査完了まで相当の期間を要する場合がありますので、できるだけ早く「埋蔵文化財の所在確認依頼書」を提出いただき、事前の協議をお願いします。



 『文化財保護法』(昭和25年5月30日 法律第214号) 抜粋
 
第1条 この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。
第2条 この法律で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
4 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、…
第4条 一般国民は、政府及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
第93条 土木工事その他埋蔵文化財の調査以外の目的で、貝づか、古墳その他埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)を発掘しようとする場合には、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもって、発掘に着手しようとする日の60日前までに文化庁長官に届け出なければならない。
2 埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、文化庁長官は、前項の届出に係る発掘に関し、当該発掘前における埋蔵文化財の記録の作成のための発掘調査の実施その他の必要な事項を指示することができる。
第99条 地方公共団体は、(中略)埋蔵文化財について調査する必要があると認めるときは、埋蔵文化財を包蔵すると認められる土地の発掘を施行することができる。
3 地方公共団体は、第1項の発掘に関し、事業者に対し協力を求めることができる。






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