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アメイジングトーク㉕ 語る! 深める!AMAZING TOYAMAアメイジング トヤマ

移住者目線でつくりだす、少し新しい富山の風景。

キラリの設計で富山へ。

齋田 建築士として「TOYAMAキラリ」の設計に携わることになり、初めて富山へ来たのが2011年のこと。設計段階の2年半は通いで、工事が始まってからは富山に常駐する形で約2年。その後独立を機に、夫婦で富山へ拠点を移しました。
本瀬 彼は前職の同僚で、私の方が先に東京で独立して仕事をしていました。アルペンルートに来たのが最初の富山体験。彼が富山に住み始めてしばらくしてから来ました。
齋田 通いの2年半は空港と現場の往復だけで、富山のことを何も知らずに過ごしていたのです。今思うとかなり損をしていましたよね。住み始めてすぐに、富山の面白い人たちと運良く知り合いになったことで、どんどん自分のランチバリエーションも増えてきて。その流れで、今度は僕が東京からの通いスタッフたちをランチに連れ回すようになって。そうしたら彼らも富山が面白くなってきたようで、そこに僕は喜びを感じました。地元の人と触れ合うようになり、富山の見え方も随分変わっていきましたね。

建築目線のマップ作成。

画像:「じじじMAP」を持って神保地区の人々と

「じじじMAP」を持って神保地区の人々と

齋田 通常、私たちは建物が建つまで携わることは多いのですが、完成後まで携われることはほとんどありません。建築家として実際自分が携わった建物がこの後どう人々に使われていき、どう育っていくかを見たいと思ったのが富山に移住した理由の一つです。TOYAMAキラリが建って7年ほど経ちましたが、市民の皆さんに大切に育てていただいているなと、間近で感じています。
本瀬 昨年からガラス美術館の展示構成にも携わらせてもらっています。最近は建築設計とは異なる活動にも取り組んでいて、例えば千里駅周辺(婦中地域)の神保じんぼ地区の地図を書くという仕事もその一つ。地元の人が地元を知り、もっと地元が好きになる。そんな神保地区の自慢を集めた情報マップ、通称「じじじMAP」を作成しました。
齋田 僕は滝や水路が好きなのですが、神保地区は水の風景が特徴的な地域。実際に現場を見に行くことから始めて、それを二次元にまとめていきました。
本瀬 集落によって建物の立ち方、種類などが違うことがわかりました。家が道に沿って連なっていたり、田んぼの真ん中に建っていたり、 まきストーブ屋の周りには煙突の家が多かったり。私たちならではの目線で表現したいと思っています。
齋田 地域の人たちがこのマップを通して自分たちの住むまちに改めて興味を持ち、魅力を発見していただけたらうれしいですね。「こんなのがあるよ」「これも載せて」というような声を聞かせてもらいながらマップを育てていけたらいいですね。

写真:齋田武亨さん・本瀬あゆみさん プロフィール

齋田武亨(さいた たけゆき)さん、茨木県出身。
本瀬あゆみ(もとせ あゆみ)さん、青森県出身。
2015年より夫婦で本瀬齋田建築事務所「サモアーキ」を富山市でスタート。富山と東京の二拠点で活動している。

風景を翻訳する仕事。

本瀬 風景という言葉には、空間的なこともあるけれど、今まで積み重なってきたこと、そしてこれからのことなど時間的なこともあるから面白いと思っています。今までの時間を引き受けつつ、これから使われる時間のことを考える建築を目指していきたいです。
齋田 抽象的ですが、私たちの仕事は「風景を翻訳」しているような感じです。移住者ならではの視点で、今ある風景を少しだけ翻訳して、新しい風景として見せる。富山の人たちが気づいていない魅力を「面白いよね」と伝えつつ、街の人たちとも関わりながら富山の風景をつくり出していきたいと思っています。

QR:「AMAZING TOYAMA」ホームページ

WEBサイト

この連載では、富山で活躍するさまざまな方の「アメイジング(驚くほど素敵)」な富山について掲載します。また、WEBサイトでは皆さんのアメイジングなエピソードも募集しています。

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[問い合わせ] 広報課 電話:443-2018