本市では、これまで、「人・まち・自然が調和する活力都市とやま」の実現に向けて、「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」を中心政策に据え、総合力の高い魅力あるまちづくりに取り組んできました。令和2年3月には、富山駅での路面電車南北接続事業が完成し、まちづくりの一つの到達点を迎えました。
一方で、人口減少と超高齢化の急速な進行や、めざましい情報通信技術の進展など、本市を取り巻く環境は大きく変化しています。さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大という大きな試練に直面し、人々の生活様式や価値観も変化を強いられています。
「第2次富山市総合計画 後期基本計画」は、こうした時代の流れに柔軟に対応し、市民の皆さんが生きがいと幸せを実感しながら質の高い生活を送ることができ、将来世代にも責任の持てる持続可能なまちづくりを着実に推し進めていくために策定したものです。
目指す都市像を実現するため、4つのまちづくりの目標を設定し、それぞれに政策、施策を位置づけます。後期基本計画では、基本構想に基づき、前期基本計画の成果や課題、社会情勢の変化にも対応しながら、今後5年間の具体的な取り組みを明らかにします。
将来にわたり持続可能な都市として、多くの人々から選ばれるまちであり続け、人口規模の維持を図っていくため、「都市の総合力」および「都市の格」を高める施策を分野横断的に進めることが重要です。
後期基本計画では、3つの視点に立った「ネクストステージ重点プロジェクト」として、7つの「重点テーマ」を設けて、包括的かつ優先的に各種事業を展開していきます。
7つの重点テーマ
コンパクトなまちづくりの成果が市域全体にいきわたるよう、地域生活拠点の充実や公共交通の維持、活性化などに一層取り組みます。
産学官連携のもと、新技術の導入や官民の各種データの活用などを推進することで、行政サービスの向上や安心・安全で利便性の高い市民生活の実現を目指します。
からだと心の健康づくりや医療データなどを活用した介護予防、歩いて暮らすライフスタイルへの転換など、重層的な取り組みを推進します。
地域における防災力の強化、社会インフラの老朽化対策や廃止・統合を含めたマネジメントに取り組みます。
また、新型コロナウイルスをはじめとした感染症への備えを進めます。
少子超高齢社会が進行する中、地域を支える担い手を育成・確保し、地域のコミュニティの維持、強化に努めます。
市民や事業者が一体となって脱炭素社会の実現を図るため、再生可能エネルギーの導入拡大や活用の促進、さらなる省エネルギーを推進します。
製造業など強固な産業基盤を生かしたさらなる産業力の強化や、新たな産業分野に挑む企業が創業しやすい環境づくりに努めます。
2つの中学校が統合した八尾中学校
(4月開校予定)
学校規模適正化のための再編や、学校施設の長寿命化を進め、学校教育環境の整備・充実を図ります。また、地域と連携・協力し、地域に開かれた安心・安全な学校づくりを推進します。
子育て支援センターの活動
さまざまなニーズに対応した多様なサービスを提供します。また、育児サポートネットワークを構築し、切れ目ない支援を通して、安心して妊娠、出産、子育てができる環境の充実に努めます。
市総合防災訓練
ICTを活用した防災力の強化に努めるとともに、多様な危機事象に迅速かつ的確に対応するため、国や県、企業などとの連携を図るなど、危機管理体制の強化に努めます。
「とほ活」ベンチ
地域の生活拠点となる鉄軌道駅などの周辺への居住や、日常生活に必要な都市機能の集積を図り、車に過度に依存したライフスタイルから、公共交通などを賢く活用して、歩いて暮らすライフスタイルへの転換を促します。
「
大学や産業支援機関などの関係機関と連携し、医薬バイオ、ナノテク、IT、環境など成長分野の研究開発型ベンチャーの育成に努めます。また、多様な主体との共創により、地域課題の解決や新産業・新事業の創出などにつながる取り組みを進めます。
中規模ホール完成イメージ図
(令和5年度開館予定)
市民の皆さんが優れた芸術文化に親しむ機会の充実に努めるとともに、中規模ホールの整備により、文化活動の発表の場を拡充し、富山駅周辺エリアに新たな賑わいを創出します。
公募提案型協働事業
(「子ども」支援プロジェクト)
地域の課題に市民と行政が協働して取り組み、市民主体のまちづくりを進めます。
富山ガラスオリジナル色
「
ガラス工芸品
「富山の顔」となるブランドの創出や、都市間の連携・交流による魅力の向上など、「訪れたいまち」「暮らしたいまち」「住み続けたいまち」として市内外の多くの方々から選ばれるまちづくりを推進します。
市民の皆さん一人ひとりが当事者意識を持ってまちづくりに参画することで、市民と行政の協働によるまちづくりを目指します。
施策を実施することによって得られる成果を表す指標(令和8年度目標数値)を示すことにより、成果を重視したまちづくりの推進に努めます。
★基本計画の詳細は、市ホームページ(「総合計画」で検索)に4月上旬頃に掲載予定です。