【この展覧会は終了しました】
岸駒は、円山応挙や呉春など多くの画家に伍して、江戸時代後期の京
都画壇で大活躍し、「岸派」を興した富山ゆかりの画人です。中国画に
範を求め、精緻な描写を旨とした作品から出発したようですが、やがて
諸派を折衷した個性的な画風を確立、禁裏の御用もつとめるなど、京の
有力画人となり、長寿を保ち、晩年まで積極的に作画しました。
その後援者の一人に、越前粟田部(福井県越前市)の木津成助(1782
~1853)がいます。木津家は、酒造を中心に生糸・油・金属などを扱っ
た地元の素封家でしたが、木津家10代の成助は、書画を好み、岸駒を師
として絵を学びました。京都の清水寺には、岸駒と成助合作の石灯籠が
現存しており、二人の浅からぬ師弟関係を物語っています。また、木津
家には、岸駒の手に成る虎や孔雀の大幅をはじめとする絵画、岸駒所用
の文房具や岸派の印譜などが所蔵され、さらには、「岸駒は木津家に逗
留し、成助とともに酒を楽しんだ」という伝承もあるなど、成助は岸駒
に深く肩入れしていたようです。
本展では、岸駒の絵画やゆかりの文房具、成助の書画など木津家に伝
来する岸派ゆかりの文物を一堂に紹介し、あわせて館蔵の岸派絵画の優
品を展示します。後援者であった木津家伝来の作品を通じて、岸駒が描
く絵の魅力にふれていただければ幸いです。
◇ 会 期 令和3年10月2日(土)~11月7日(日)
※会期中無休
※会期中一部展示替を予定しております。
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
→交通アクセスはこちら
◇ 観 覧 料 大人 400円 高校生以下無料
◆ 公開講座 ◆ 事前申込要・聴講無料
日 時 10月30日(土)午後2時より
演 題 越前粟田部の木津家と岸駒
講 師 当館学芸員
場 所 当館講堂
定 員 20名(定員を越えた場合は抽選となります)
◎申込方法◎
10月20日(水)【必着】までに 往復ハガキ(1枚で2名まで申込可)で
参加者全員の 氏名・住所・電話番号 を、
富山市佐藤記念美術館(〒930-0081富山市本丸1-33)へ送付ください。
※新型コロナウイルス感染症の状況により開催が変更・中止となる
場合があります。