
中国から中央アジアを貫いてヨーロッパへと、東西を結ぶ陸の路、「絹の路」
が有名ですが、一方では中国南部からベトナム・マレー半島・ビルマ・インド
という海の路もすでに前漢時代(B.C.2〜1世紀)から開かれていたようです。
こうした海路は、陸路よりも安全に重量物を容易に運搬できることから、9世
紀を過ぎると交易に重要な位置を占めるようになりました。この海上ルートに
より中国の陶磁器は東南アジア各地はもちろんのこと、ペルシア湾岸やエジプ
トにいたる実に広い地域に運ばれたのです。
今回の展覧会では、主に1970年代にフィリピンで収集された「関コレクショ
ン」から各種のやきものを紹介します。本コレクションは、唐時代末期から清
時代初期にいたる中国陶磁を中心にベトナム・タイ・カンボジアという東南ア
ジア各地の陶器をも含む幅広い時代と地域にわたるもので、なかでも広東省・
福建省といった中国南部諸窯の品を多く含むことが特色です。また、蓋付の小
さな器や小壷、水滴なども収集されており、それらの中には東南アジアの嗜好
品である「キンマ」の道具として用いられた可能性もあるもので、こうした、
てのひらにのる小さな楽しい作品もあわせて紹介します。
◇ 会 期 平成29年1月21日(土)〜3月5日(日)
◇ 休 館 日 2月6日(月)
◇ 開館時間 午前9時〜午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
→交通アクセスはこちら
◇ 観 覧 料 一般 210円 小中学生 100円