
東洋美術の伝統的主題である花鳥・山水は、中国を起源として東アジアで
広く愛され、古くから絵画をはじめ工芸品を装飾する図柄として用いられて
きました。
花鳥は、四季の草花や樹木に小鳥や水鳥、昆虫や小動物などが表現される
もので、はなやかさや季節のうつりかわりを感じさせます。そのモチーフに
は、富貴・子孫繁栄・立身出世といった世俗的な願望のほか、自由な境地や
高潔性といった精神的な理想などの様々な意味が込められ、その図柄は、庶
民から支配階層まで広く親しまれています。また山水は、自己が抱いた理想
の世界を山や川、滝、湖水などに託して表現されたもので、世俗をはなれた
理想世界への憧憬ともいえます。そして時代とともに、理想的な山水風景は
変化して、実在する名勝地までさまざまな主題が描かれるようになりました。
この展覧会では、江戸時代から明治時代までの絵画をはじめ、陶磁器・漆
工品・金工品などさまざまな作品を展示します。はなやかな花鳥、理想郷の
広がる山水の世界にふれていただく機会となれば幸いです。
◇ 会 期 令和5年2月18日(土)~4月9日(日)
※休館日 2月21日(火)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
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◇ 主 催 富山市教育委員会(富山市佐藤記念美術館)
◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料