江戸時代の越中では、さまざまな美術工芸品が製作されました。ゆかりの絵師
としては、狩野派に学び、優れた画技で富山藩の御用をつとめた木村立嶽、京
都に出て活躍し岸派を興した岸駒らがいます。工芸では、精緻な螺鈿技法によ
り漆器を製作した杣田家や、武具を手がけた明珍家、金象嵌の三海家など、細
工方で腕をふるった職人たちがいました。さらに、やきものでは、富山藩の保
護を受けて興隆した、越中丸山焼、加賀藩の特権を得て流通した越中瀬戸焼、
小杉焼などがみられます。しかし、この多くが明治維新以降、藩の後ろだてを
失い衰退を余儀なくされるのです。一方、新政府は近代化のために殖産興業政
策をかかげ、国内外の博覧会への出品物の製作、輸出を推進するようになりま
す。一度は職を失った細工職人たちは、高度な技を用いて、海外向けの精巧な
品々を手がけるようになるのです。また、絵師たちは西洋画技法を取り入れた
新たな表現に挑むと共に、輸出品の図案なども手がけました。富山でも博覧会
や共進会が開かれる様になり、県産品を陳列し紹介する県立工芸品陳列場も開
設します。さらに、技の継承や開発、人材育成のために富山県工芸学校も創設
されるのです。
本展では富山の地で培われる技と美が、移り変わる時代の中でも絶えることな
く、情熱ある人々の手により伝えられ、変容しながらも、強く、美しく、めぐ
りゆくさまを作品を通してご覧いただきたいと思います。
◇ 会 期 令和7年12月13日(土)~令和8年2月15日(日)
◇ 休 館 日 12月18日(木)、12月28日(日)~1月4日(日)、
2月12日(木)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
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◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料
◇ 主 催 富山市教育委員会(富山市佐藤記念美術館)
◇◇ 学芸員による解説会◇◇
12月20日(土)・12月27日(土)、1月12日(月・祝)、
1月24日(土)、2月7日(土)、2月14日(土)
いずれも午後1時30分より当館展示室にて
※事前申込不要、要観覧料