江戸時代の富山では、漆工品をはじめ、金工、陶磁器などの様々な工芸品が
つくられてきました。漆工品では、秘伝の白漆が特徴とされる城端蒔絵や、青
貝をはじめ金銀の線や薄板などで装飾された杣田青貝細工をあげることできま
す。また、刀装具制作の技を活かした、鍛金や金銀象嵌細工を用いた金工品も
注目されるでしょう。陶磁器では、生活雑器から雅陶まで焼かれた越中瀬戸焼
や小杉焼、また茶碗や水指など趣味性の高い埴生焼も作られています。そして、
明治時代以降も伝統的な表現を受け継いだものや、あるいはその技術を基とし
て、新しい表現方法を展開したものなど、富山ではさまざまな作品が作られて
きたのです。
一方、京都や江戸といった中央画壇で、才能を開花させた絵師たちも輩出し
ています。江戸時代後期の京都画壇では、明治まで続く岸派を興した岸駒をは
じめ、京都御所の障壁画の制作に参画した吉田公均らが活躍しました。また、
富山藩の絵師として活躍し、明治の中央画壇にすすみ新しい日本画の創造に参
画した木村立嶽が知られています。
この展覧会では、江戸時代から昭和時代までの富山にゆかりのある工芸品や
絵画を展示します。人々に親しまれてきた、富山の美術作品の数々を見つめな
おす機会となれば幸いです。
◇ 会 期 令和6年7月13日(土)~ 10月6日(日)
◇ 休 館 日 7月18日(木)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
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◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料
◇◇ 学芸員による展示解説会◇◇
8月10日(土)・8月31日(土)・9月28日(土)
午後2時より当館展示室にて。
※事前申込不要、要観覧料