平成26年から、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門 主任調査員 長 秋雄さんとともに、富山城石垣の帯磁率調査を行っています。
岩石帯磁率については、「岩石帯磁率」項で詳しく解説しています。 |
ここでは、長さんの2015年9月の日本地質学会アウトリーチセッションでのポスター発表「富山城石垣・高岡城石垣・金沢城石垣の帯磁率」の内容を交えて紹介します。 |
長さんによる帯磁率の調査は、これまで金沢城石垣に使われている戸室石の調査成果があり、年代・産地の変遷や色彩を意識したことなど、大きな成果があります。 |
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長秋雄研究員による富山城石垣調査(2015年5月) |
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長 秋雄 2015 |
「金沢城石垣(戸室石)の帯磁率−自然石積石垣・割石積石垣・粗加工石積石垣−」『地質調査研究報告』66,1/2 p25-40.WEB閲覧可能)。 |
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この成果を参考に、長さんは、石材産地が特定されていないものが多い富山城と、富山城に似た石材を使っている高岡城石垣について、調査を進めています。 |
富山城では、花崗岩・安山岩・砂岩が使われており、これまでの研究で、花崗岩は早月川周辺、安山岩は常願寺川、砂岩は高岡氷見海岸部と推定しています。また、神通川上流神通峡に「石切丁場」がありましたが、どんな石材かは不明です。 |
帯磁率の調査は、富山城石垣に使われている花崗岩・安山岩の産地を特定するために行いました。 |
(古川) |
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