6.砂岩(4)太田石・岩崎石

Sandstone(4)Oota-stone,Iwasaki-stone(Takaoka city)
 
高岡から氷見海岸部に所在する粗粒砂岩で、主要産地が高岡市太田に所在するためこの名があります。太田の東にある伏木台地岩崎地区にも同種の砂岩が産出し、岩崎石とも呼ばれます。この砂岩の最大の特徴は、石灰成分を含むことです。
中世には、富山西部地域を中心に、石仏・板碑・五輪塔・宝篋印塔の石材として多く使われました。近世になると、富山城・高岡城の石垣石材としても使われました。
 
帯磁率計測は、原産地の一つである高岡市太田の雨晴岩周辺13地点、周辺の石造物6件11石の計7件24石を行いました。
太田石丁場の一つ雨晴岩(義経岩)
太田石丁場の一つ雨晴岩(義経岩)
原産地における全範囲計測値は15から42×10-5SI、石造物では、原産地付近のもの1から18×10-5SI、それ以外のもの29から65×10-5SIであり、原産地の計測値と少しずれがあります。これは風化等外的要因によるものかもしれません。
また、粗粒のものは15から35×10-5SI、中粒のものは35から45×10-5SIと異なります。
太田石・岩崎石の分布(中世から近世初)〔西井ほか2012〕より引用
太田石・岩崎石の分布(中世から近世初)〔西井ほか2012〕より引用
(古川)