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「重臣ヨリ献灯姓名録」には、藩主墓の前面に朱書の□記号があります。この燈籠は無記名で、藩主墓所内にのみ存在することから、各藩主墓に付属した墓前燈籠と考えられます。
この燈籠は、墓道に置かれた寄進燈籠より一回り大形で、笠の形が異なるほかは、寄進燈籠と構成や形状がおおよそ似ています。
墓前燈籠は、藩主墓1墓につき2から6基が主で、最大で12基(十代利保墓)が置かれます。総数は57基です。
「重臣ヨリ献灯姓名録」によりその配置をみると、墳墓前の拝所の両側には、必ず1基ずつ置かれます。3基以上配置されるものは、墓所の小区画を意識して配列されているようで、左右の藩主墓の区画縁辺側に沿って縦に並べるもの(北群、利隆墓)、門側まで廻すもの(利友・利幹・利幸墓の一群)、あるいは墓前に2列の縦列に並べるもの(利保墓)に3分類されます。 |
(古川) |

初代利次墓の墓前燈籠列 |
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西群墓所の墓前燈籠配置
(初代利次・十代利保) |
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