貝輪製作
小竹貝塚からは、ベンケイガイ・サルボウガイまたはサトウガイなどのフネガイ科の貝殻製の貝輪、その製作途中の未成品・失敗品、原材料である貝殻が出土しました。
貝輪製作の過程は下記のとおりです。
1 貝輪の材料となる貝殻 を採取する。
2 殻頂部かくちょうぶを石器でたたいて穴を開ける。
3 鹿角ろっかくなどでたたいて穴を広げる。
4 砥石といしなどでなめらかに磨く。
貝輪の製作過程
貝輪の製作過程
小竹貝塚の貝層にはそれぞれの過程の貝輪が廃棄されており、小竹貝塚で貝輪を製作していたと考えられます。
 
ベンケイガイやサトウガイなどは、外洋の開放的な砂地の海に広く生息するもので、潮干狩り等で簡単には採取できないため、死殻となった貝が時化しけなどで打ち上がるものを採集することで入手が可能でした。小竹貝塚の人々は貝殻の打ち上がる場所や時期を熟知した上で海岸に出かけて貝殻を採取してきていたと考えられます。
(堀内)