塚根経塚つかねきょうづか

室町時代末頃の一字一石納経塚
(富山地域)
現在の塚根経塚
常願寺川・熊野川の形成した扇状地上、標高60mに立地します。
当地は古くから塚根と呼ばれ、塚がありましたが、ほ場整備事業に伴い昭和52年4月15日に発掘調査を行った結果、室町時代末頃の一字一石納経塚であることがわかりました。
経塚の大きさは7m四方で、高さ約2mの基壇状になっており、表面に河原石が一面にはりつけてありました。
盛土の下約2.5mのところに、2m×1.5mの埋納室があり、経石約8万個がつまっていました。経石の墨書は法華経の経典を一字づつ書き写したものと考えられます。
また、これらの中に「為妙慶」(尼僧名と思われる)と人名を書いた石があることから妙慶の火葬骨を分骨し、菩提を弔うために一字一石の経典をいっしょに埋納したと推測されます。
 
経塚は、昭和54年4月、地元保存会の協力を得て復元・整備が行われました。
付近には江本経塚〈享禄4(1531)年銘の題目塔〉が残っており、かつて多数の塚が存在したとの言い伝えもあります。