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常願寺川・熊野川の形成した扇状地上に立地する経塚です。
1辺約4mの塚の頂部には、梵字を彫り込んだ自然石板碑があります。 |
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板碑は、河川転石(凝灰岩)の正面及び頭部をノミ加工により整形しており、その他は自然面を残しています。大きさは高さ92cm以上、幅78cm、厚66cmです。 |
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上部に径1尺の月輪を彫り込み、その中に薬研彫で「バン」(大日如来の種子)が彫られています。下部には「願主常□/эZ/□善/亨(享)禄四年」の銘がみられます。常□・эZ・□善の3人が共同で願主となって、享禄4年(1531)に造立したことがわかります。 |
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塚周囲には、文字を書いたとみられる小石があり、一字一石納経塚と推定されます。 |
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経塚の周囲には真言宗寺院が多く存在し、それに帰依する裕福な在俗出家者が、先祖等を供養するため塚を造ったと考えられます。 |
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本経塚の東450mには塚根経塚があります。発掘調査により、法華経を書写した礫石経を埋納したことがわかっていますが、詳細な造立年代は不明です。 |
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江本経塚の現況 |
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板碑実測図 |
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関連書籍(表紙をクリックすると全国遺跡報告総覧のホームページが開きます) |
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富山市埋蔵文化財センター 2009
『富山市の遺跡物語 第10号』 |
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