
当館の創設者である佐藤助庵(佐藤家12代目 助九郎、1896-1979)は、現在の
富山県砺波市に生まれました。実業家として、家業の土木建設業を継いで大きく
発展させ、さらには県内企業の役職にも就き、その腕を振るいました。また戦前
には貴族院議員をも務め、富山の政財界の要として活躍したのです。その一方で、
助庵は茶と芸術を愛した風流人でもあります。茶の湯に関連した古美術品を中心
に蒐集し、自身でも書画や漢詩、俳句をよくしました。60歳を過ぎてから、富山
市の呉羽山麓に「呉山窯」を築き、やきものにも取り組んでいます。また、茶は
裏千家に学び、北陸初となる今日庵老分に任ぜられ、「宗越」の茶名を頂戴しま
した。さらに日本を代表する実業家であり、近代の三大茶人と称される松永安左
エ門(号・耳庵)を師として慕い「助庵」という号を頂き、終生用いています。
こうして実業家として活躍しつつ、茶や芸術にも造詣が深った助庵は、蒐集し
た美術品や茶室を公開する財団法人佐藤美術館を、昭和36年に富山城址に開館さ
せました。その後は精力的に展覧会を開催し、趣旨や作品の解説などを本人が執
筆して小冊子にまとめたほか、新聞や雑誌などにも茶や芸術に関する独自の考え
を寄稿しています。本展では、助庵ゆかりのさまざまな美術品を彼の語った言葉
とともにご紹介します。茶と芸術こそが人々の心を明るく照らすと信じた助庵。
その実像に迫ります。
◇ 会 期 令和6年12月7日(土)~ 令和7年2月16日(日)
◇ 休 館 日 12月18日(水)、12月28日(土)~1月4日(土)、
2月13日(木)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
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◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料
◇◇ 学芸員による解説会 ◇◇
12月15日(日)、1月19日(日)、2月11日(火・祝)
いずれも午後1時30分より当館展示室にて
※事前申込不要、要観覧料