
やきものの生産は、世界の各地で行われています。中でも中国陶磁の歴史は
古く、紀元前1500年ごろには、釉薬をもちいた陶器が出現しその後も現在まで、
長きにわたって多種多様なやきものが生み出されてきました。また、中国と地
理的に近いインドシナ半島の各地でも中国陶磁から強い影響を受けながら、そ
れぞれの地域性を反映したさまざまな陶磁器がつくられています。ベトナムで
は、11世紀頃から独自の様式を持ったやきものがつくられ、白磁・青磁・緑釉
などの多彩なやきものがやかれ、14世紀には鉄絵や柔らかな風合いをもつ青花
も製作されています。またタイでも同じころ、彫り文様を施した青磁の盤や丸
い耳のついた双耳壷、鉄絵の合子などつくられています。一方、今のカンボジ
アを中心とした地域では、9世紀後半から13世紀頃まで、灰釉・褐釉・黒褐釉の
かけられた壷や瓶、合子などの陶器がやかれ、象や鳥、兎などをかたちどった
独特な造形物が作られ、中国陶磁とは異なった特色が見られます。
この展覧会では、館蔵品より中国陶磁をはじめ、ベトナムやタイ、カンボジ
アなどの東南アジアやペルシアのやきものを紹介します。広い地域のさまざま
な器形や色、文様など多彩な東洋のやきものを楽しんでいただく機会となれば
幸いです。
◇ 会 期 令和7年7月19日(土)~ 10月13日(月・祝)
◇ 休 館 日 7月22日(火)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
→交通アクセスはこちら
◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料
◇◇ 学芸員による展示解説会◇◇
8月16日(土)・9月6日(土)・10月4日(土)
午後2時より当館展示室にて。
※事前申込不要、要観覧料