引札は現在の広告チラシにあたるもので、江戸時代から明治時代にかけて、商品や商店の宣伝のため盛んに配られました。その大きな魅力は、お客さんの目を引き付けるために工夫された図柄があふれていることです。
中でも、めでたさを表す七福神は、代表的な図柄といってよいでしょう。大黒天、弁才天、毘沙門天、布袋、福禄寿、寿老人、恵比寿という、インド由来の仏教、中国由来の道教、そして日本の神道という諸教取り混ぜ、生まれも育ちも全く違う神々が、日本では福の神として大活躍しているのです。
引札の中で福神たちは、人目を惹くために一生懸命に働いています。ニコニコ顔で小判や宝物をバラまいたり、金の成る木を育てたり、また滑稽に踊ったりと、いろんな姿で頑張っているのです。
今回は、引札に見られる福の神を通して、人々の願いを見てみましょう。
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