江戸富山藩邸の暮らし・行事
富山藩邸の発掘調査で出土した遺物
 
2015年7月末現在までに行われた富山藩邸関連の発掘調査からは、遺構や盛土などに伴って多くの遺物が出土しています。藩邸として拝領(はいりょう)した場所は台地の上であったことから、地中で腐食(ふしょく)劣化(れっか)することがない石製品、やきものなどがその多くを占めています。
 
出土遺物はその当時の社会、経済、文化などを知る重要な資料です。富山藩邸からは御殿で使われた大名としての活動の道具や江戸詰めの家臣の生活を物語る道具などが出土しています。
 
大名は、江戸にいる間は将軍への奉公や大名同士のつき合い、また、家臣と共に年中行事や法事など多くの儀式がありました。そうした行事の多くは上屋敷で行われ、藩邸にはそれに使う茶の湯や儀式などの道具が備えてありました。茶の湯は大名の必須の素養であり、看護師宿舎地点から出土している道具は、唐物(からもの)と言われた舶来物(はくらいもの)で構成される一級の物です。
 
藩邸境付近の大きなゴミ穴からは家臣が使った生活道具が多量に出土しています。その中でも酒徳利は最も多くみられるもので、富山から参勤によって来た単身赴任の武士の生活ぶりが目に浮かぶようです。
      (堀内)