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修理済建物の経過観察を踏まえ、今年度に実施する第13号住居の工事での留意点を指導いただくと共に、整備事業報告書作成に向けた意見交換を行いました。また、今後計画している第70号住居の修理の方向性について、承諾いただきました。 |
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(1)修理済建物の経過について |
第13号住居(複製)の経過について |
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出入口からの水の流入が繰り返されているので、流入口を埋めるなど何らかの措置を講ずるべきである。水勾配を少し変えて排水性を高めてもよく、そのうえで砂利を敷いてもよいとの指導を得ました。 |
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シロアリが増えるとクロアリが増えるので、今春から目立つ出入口丸太上のクロアリの通行状況も経過観察すべきであるとの指導を得ました。 |
第1号住居(複製)について |
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赤土屋根の維持管理として、散水後に亀裂へ土を入れ、大人が慎重に踏み固める必要がある。土は空隙があるものの、一度潰れると膨らまない。1cmから2cm幅の亀裂が入ると、長寿命化が遠のきかねないので、亀裂が大きくなる前に手当てする必要があるとの指導を得ました。 |
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(2)第13号住居の修理工事について |
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第1号住居(複製)と第13号住居(複製)の施工実態と経過から、土間叩きにおける亀裂発生の有無は、施工時の気象条件の差との因果関係が明白で、急激に乾燥することを避けることが重要である。施工後の養生に留意すべきであるとの指導を得ました。 |
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(3)整備事業報告書について |
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文化庁文化財部記念物課文化財調査官から、整備報告では使用した資材を明示することが重要である。製品の選定が目的ではなく、使用資材と施工実績を後世に残すことが目的であるとの指導を得ました。また、本事業をとおして、どのような環境を維持できれば長寿命化が可能で、その実現にはどのような現代工法を取り入れると効果的か見えてきた。気象差が施工差につながっており、他地域でデータを応用するための取扱説明書は重要との指導も得ました。 |
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(4)第70号住居の修理工事計画について |
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これまでに効果が得られた修理工法を実践し、その効果を最大限に高めるため、屋根土を除去して屋根防水シートを葺き直す。屋根土は黒ボク土を再利用することとし、工事の詳細計画は今後詰めるという事務局の方向性を承認いただきました。 |
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