人生の応援歌 2022年2月5日

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ページ番号1002976  更新日 2023年1月6日

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「兎(うさぎ)追いし彼(か)の山 小鮒(こぶな)釣りし彼の川 夢は今も巡りて 忘れ難き故郷(ふるさと)」 時代を超えて歌い継がれる唱歌「故郷」は、高野辰之(たかのたつゆき)作詞、岡野貞一(おかのていいち)作曲の名曲である。この歌を聴くたびに、幼い頃の情景や思い出がよみがえる方も多いのではないかと思う。自分にとっては、歳(とし)を重ねるにつれ味わい深く感じる「人生の応援歌」でもある。

さて、「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉がある。歌は世の成り行きにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に影響されるということのようである。確かに、昭和から平成、令和の時代においても、歌は世相を反映し続け、それぞれの時代にその時代を代表する歌がある。そして、その歌を聴くと当時の人間関係や自分の気持ち、友人のこと、空気や匂いまでも、つい昨日のことのように脳裏によみがえるのである。人生を豊かにし、時には慰め、励まし、奮い立たせてくれる、思い出の歌にはそんな不思議な力がある。最近では、東京2020オリンピック・パラリンピックの民放共同企画テーマソング「SMILE(スマイル)晴れ渡る空のように」なども、アスリートの直向(ひたむき)な姿や感動とともに心に染み入った名曲である。

そう言えば、SNSやソーシャルメディアが普及した影響であろうか、平成生まれの若者の間で昭和歌謡が流行(はや)っているという記事を目にした。インターネット上で昭和歌謡をリコメンドし、その曲が拡散され今の若者たちに支持されているのである。彼らによれば、昭和歌謡は、皆で歌えて歌詞やメロディーが「新しくて新鮮」だとの事である。コロナ禍でめっきり歌う機会が減ってしまったが、私たちが愛してやまない「カラオケ」文化を生んだのも、昭和歌謡と言っても過言ではないと思う。

話は変わるが、皆さんにとっての「人生の応援歌」は、何といっても学生時代を過ごした学び舎(や)の「校歌」ではないだろうか。小学校、中学校、高校、大学とその成長期に合わせて何度も歌った校歌は、一人一人の人生にとって大切な青春の歌である。同級会や同窓会では、恩師を囲み、友との旧交を温め、校歌を歌い、明日への活力をいただくのである。

今年4月に開校する八尾中学校の新しい校歌は、富山市特別副市長の柴田理恵(しばたりえ)さんに作詞を、シンガーソングライターの南(みなみ)こうせつさんに作曲を、南こうせつさんの妻である南育代(みなみいくよ)さんに補作詞を担当いただいた。地域の歴史や情景、未来への希望を爽やかなメロディーにのせた素晴らしい歌が完成した。新しい学び舎で逞(たくまし)く成長した子どもたちが、この校歌を「人生の応援歌」として、それぞれの未来を力強く切り開いてくれることを心から願いたい。

写真:水田と青い空
生まれ育った故郷の風景

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