【ヤブラン】
(麦門冬[バクモンドウ]) ユリ科

 東北地方以南の山野で常緑樹林の下に自生し、また畑や庭に栽培される常緑の多年草である。根は細長く、ところどころに肥えて厚くなった長楕円形の小塊をつける。葉はやや厚く、光沢のある濃い緑色で、幅は6〜15m、鈍頭の線状披針形となって多数叢生する。8〜9月ごろ、直立した花茎をあげ、上部に6〜10cmの円柱状の花穂をつけ、紫色の小花を2〜5個ずつ各節に集まってつける。果実は径7mmの球形で、黒熟する。
[薬効]  塊根(大葉麦門冬)は消炎、滋養、強壮、せき止め、去たん、強心、利尿薬に用いる。使用法は、塊根10gを水500ccで煎じ、1日3回に温分服する。
[栽培]  5月上〜中旬に根を掘り上げる。球をとって株分けし、それを苗として、排水良好で日あたりのよい肥えた畑に定植する。適度に肥培管理をして、翌年の5月に収穫する。