【フキ】
キク科

 各地の山地や路傍に自生、または栽培される多年草である。根は横走する。葉は花後に根からすぐに出てくる。葉柄は肉質で長く、その先に径15〜30cm、円形のソラマメ形で、灰白色の綿毛がある大きな葉をつける。春早く、フキノトウと呼ばれる花茎を出し、大型の鱗状の苞を多くつける。雌雄異株で、雄花は黄白色の花を、雌花は白色の花をつける。雌株は花後、高さ30cmに達する。  フキノトウ(つぼみ)はゆでておひたし、三杯酢、つくだ煮などとし、花柄はゆでて皮を取り除き、味噌汁の実やつくだ煮、漬けものなどに利用される。  また、茎を軽くゆでて皮をとり、半日ほど乾かしてから3cmくらいに切り、醤油と砂糖を加えて強火で煮つめる。茶褐色になったところでザルにあげて手早く冷ましたものがキャラブキである。
[薬効]  つぼみや苞はせき止め、去たん、食欲の増進に、つぼみ5〜10gを水400ccで煎服する。胃病、下腹部や腰の痛み、解熱に、つぼみを味噌で煮て食べるとよい。虫さされ、魚の中毒などに、茎葉のしぼり汁を飲用する。
[栽培]  横走する根を5〜6cmにきって地中に植え付ける。容易に土着し、繁殖する。肥料は窒素肥料を適時与えるとよい。