【ビワ】
(枇杷葉、枇杷仁) バラ科

 暖地に自生し、各地に栽培される常緑の小高木で、高さ10m。葉は短柄の長楕円形から倒披針状長楕円形で互生する。葉先はとがり、縁に鋸歯があり、質は厚くてかたい。葉の表面は濃緑色で光沢があり、裏面は若い枝とともに淡褐色の毛が密生する。冬枝先に白色の五弁花を円錐状に開く。果実は球形となり夏に黄熟し、表面に綿毛がある。種子は大きく、種皮は茶褐色。枇杷は歯が楽器の琵琶に似ていることから名付いた。
[薬効]  葉(枇杷葉)は利尿、健胃、浴湯料に用いる。種子(枇杷仁)は杏仁水の代用となり、せき止めによい。暑気あたり、食中毒、利尿、健胃薬として、葉10gを水400〜500ccで煎じ、1日3回服用する。茶剤として用いてもよい。  民間では、下痢に葉10gを水400ccで煎服する。あせも、湿疹、接触皮膚炎などに、葉を浴湯料に用いてもよい。
[栽培]  秋、種をまき、翌春発芽して苗木になったら、露地に植え込む。元肥は有機質のもので、油かすを与えて管理する。栽培は割合に容易である。