【ハコベ】
ナデシコ科

 各地の路傍や田の畦などにふつうにみられる越年草である。茎は叢生し、中に一本の糸のような維管束がある。葉は無柄で、先のとがった卵形の全縁となって対生する。春、枝先に多数の小花を集散状に開く。ハコベは春の七草の一つに数えられ、カナリアの餌にもなる。同類にウシハコベがある。ハコベにくらべて大型であるが、まちがいやすい。花のメシベの柱頭が3つに分かれたものはハコベ、5つに分かれているものをウシハコベとして区別するとよい。
[薬効]  全草は婦人病の浄血、催乳薬に用いられる。  民間では、これらに全草10gを水500ccで煎服するとよい。また全草に塩をかけて焼き、歯磨粉として利用された。
[栽培]  種子を集め、秋に半湿地にまいておくと、翌春には水々しく大きく成長する。ほとんど無肥料でよい。