【スベリヒユ】
スベリヒユ科

 各地の荒れ地、道ばたなど、いたるところの日あたりの地に自生の一年草である。草全体が肉厚で無毛、根は白い。茎は円柱形で紫赤色をおび、根元から分岐して地をはい、斜めに立つ枝を盛んに出して葉を多くつける。葉は長さ1.5〜2.5cm。短柄があるへら状のくさび形で対生し、全縁である。夏、小さな黄色花を枝先の中心に数個開く。果実は蓋果(熟すと上半分が蓋のように離れる)で、中から長い柄のある種子を多く出す。  スベリヒユの名はすべりヒユで、ゆでて食べるとねばねばしているからである。茎葉をゆでて、おひたし、酢味噌和えや、味噌汁の具などに用いる。
[薬効]  民間で用いられる方法は、痔疾に全草の煎液を2〜3回肛門に注入して洗浄する。ハチなどの虫さされに生汁を塗布する。乳腺腫痛に、地上に出ている部分をつき砕き、布にのばして貼るとよく効くといわれる。膀胱炎に生汁をしぼって服用する。いぼを切除したあと、生汁を何回もつけるとよいといわれる。酸い成分のリンゴ酸、クエン酸を含み、また粘液笑を含む。
[栽培]  荒れ地に細かい種をまくだけで容易に芽を出し大きくなる。