【サイカチ】
(皀筴[ソウキョウ]・皀角子[ソウカクシ]) マメ科

 各地の水辺の原野に自生する落葉の高木で、高さ20m。枝が変化したとげが多数ついている。葉は1〜2回の偶数複葉で、小葉は8〜11対あり、卵状楕円形の全縁、長さは約2cm。夏に淡黄緑色の蝶形花を総状につける。果実は長さ30cm、扁平の筴果で、刀の形をしている。中国産のものは羽状複葉で小葉が6対、同じく湖北のものは小葉が3対で、同様に薬用される。果実は泡が立つので、昔、石鹸の代用に用いられた。
[薬効]  果実は去たん、入浴料に用いる。使用法は、気管支炎、せきに、3〜5gを水300〜400ccで煎じ、1日2〜3回に分服する。刺激が強いので十分注意する。  民間では、皮膚病、水虫などのかゆみがあるとき、果実を入湯料にする。また血行をよくするともいわれる。むし歯に果実を粉末にしてつけるとよい。婦人の子宮発育不全に果実を煎服する。リウマチにはとげを1日量5〜10gを水500〜600ccで煎じ、1日3回に分服する。
[栽培]  種子を秋にまくと翌春発芽し、それを苗にして1年肥培管理する。3年目ぐらいに本植えする。