【コガネバナ】
(黄ゴン) シソ科

 中国北部の原産で、各地に薬用や鑑賞用に植えられる多年草である。茎の高さ60cm、葉は披針形で対生し、葉先はとがり、全縁で毛がある。夏、枝の先の方に穂状の花穂をあげ、片側だけに向いた、美しい紫色の唇形花を腋生する。花冠は長く筒状に直立する。
[薬効]  黄ゴンは消炎、解熱、利尿、下痢止め薬として用いる。使用法は、腹痛、嘔吐、下痢、みぞおちのつかえ、食欲不振などに、根5gを水500ccで煎じ、1日3回に温分服する。黄ゴンは漢方薬によく用いられ、胸脇苦満(胸、脇がつまった感じで、みぞおちから肋骨の下側の部分を親指で押すと、苦痛がある)の症状があり、低血圧傾向に小紫胡湯、高血圧傾向に大柴胡湯が用いられるが、何れもにも黄ゴンが併用される。
[栽培]  排水の良好な土地を好み、酸性土壌を嫌う。春か秋に床まき、または露地にじかにまく。床まきのときは、草丈5〜6cmで定植する。じかまきのときは畦幅を50〜80cmとってすじまきとする。窒素肥料を与えると、2年後に収穫できるが、それ以上おくと根の中心が腐って収量が減る。花が美しく、鑑賞価値が高いので鉢植えに適する。さし木で苗をとることもできる。