【モモ】
(桃仁、白桃花) バラ科

 中国原産で各地に栽植される落葉小高木高さ3m、若い枝は粘り気がある。葉短柄で互生、細長い被針形、先はしだいに細くとがり鈍鋸歯を有す。4月初旬、葉より先に白色〜淡紅色5弁花を開く。果実核果は細毛密生しモモは初夏に実が多く百々であるとか。また、燃実(モエミ)や真実(マミ)の転化したものとも云う。
[生薬]  桃仁:種子で扁平な尖卵形、長さ2cm、幅1cm。外面は赤褐色、縦しわを有し苦味あり、渇き砕くとヘンズアルデヒドの芳香を放つ。白桃花:花またはつぼみを乾燥したもの。
[薬用]  桃仁は消炎性浄血薬で月経不順、月経困難、下腹部の痛みに1日3〜5gを水300ccで煎服:白桃花は利尿、下剤で水腫、便秘症などに効く。花、つぼみ1日3gを水300ccで煎じ、2〜3回に分服して用いる。
[成分]  つぼみ、花にフラボノイドのトリホリンを含む。葉に青酸配糖体やタンニンを含み、また種子にも同様、青酸配糖体のアミグダリンや加水分解酵素のエムルシンを約3%含む。