【ミシマサイコ】
(柴胡) セリ科

 山野に自生し、各地に栽植の多年草。高さ40〜80cm、茎は直立に分岐し緑色、茎葉無毛、葉は線形〜広線形で互生、全縁、葉脈が数本縦に走り根生の葉長柄を有す。秋には枝先に黄色小花を複散形をなして多数開く。果実は楕円形で無毛。
[生薬]  柴胡:根を乾燥したもの。主根は細長く、不整に湾曲して細根を分岐、長さ10〜15cm、根頭に残茎をつける。暗褐色〜黄褐色、横じわが多く、切面はセンイ性、特異臭を有し、やや苦みがある。
[薬用]  根は解熱、解毒、鎮静薬として用い1日3〜8gを水4〜500ccで煎じ1日3回分服する。(黄今、甘草各3gまぜるとよい)漢方薬に利用が多く、胸脇苦満があり、寒熱往来、胸腹部や脇下部が痛むもの、肋膜炎、マラリア、黄疸など同様に用いる。
[成分]  根にサボニン0.5%を含み、主成分サイコサボニンa〜fで、またアルファスピナステロールを含む。脂肪油も含み茎葉にはフラボノイド系のルチンを含む。果実に脂肪油も含み、ベトロセリン酸、リノール酸、ベトロセリシン酸、パルミチン酸、油酸、ステアリン酸などのグリセリドからなる。
[栽培]  やや暖地の日当りと排水良い地に適す。4月に種をまき充分肥培管理し、10月には高さ60cm位になり、花の株も出てくる。この頃根元に堆肥入れ、過リン酸石灰を施す。
 2〜3月上旬に芽が動き出すのをみて収穫、根頭部直径8mm以下ではもう1年肥培する。