【マツホド】
(茯苓) サルノコシカケ科

 マツ属植物の根に寄生し、伐採後5〜6年を経た根のまわりに不定形塊状の菌体を生ずる。外面暗褐色、内部は白色〜淡紅色、顆粒状、子実体を生じる。外国ではマツ属のほかヒマラヤスギ属、カシ属、ウルシ属などにも寄生する。マツホドは松塊(マツホド)であり、茯苓は茯霊で松の神霊の気が伏結しているからという。
[生薬]  茯苓:菌核の外層を取り去り輪切りにしたもの。不定形塊状、径約30cm、重さ1kg、普通切片からなる。外面は暗褐色〜赤褐色、デコボコで裂け目あり。内部は白色〜淡紅色、質がかたいがもろく、ほとんどが無臭、無味で、やや粘液性がある。
[薬用]  茯苓は利尿、鎮静薬で浮腫、めまい、心悸亢進、口渇、胃内停水、筋肉ケイレンなどに粉末1回2gまでを1日2〜3回服用、また5gを水300ccで煎じ1日3回に分服する。
[成分]  菌核に多糖体のベータパヒマン94%を含み、これはブドウ糖の1−3結合の重合した1種のグルカンである。その他トリテルペン系のエブリコール酸、デヒドロエブリコール酸、パヒム酸、ツムロシン酸などのメチルエステル、エルゴステロールなどを含む。茯苓の水製エキスは抗潰瘍作用や血糖降下作用を示す。