【ハマホウフウ】
(浜防風) セリ科

 各地の海岸砂地に自生の多年草。根は砂中に深く直下し黄色をおびているが、長さ一様でない。地下茎は短く砂上に生じ、高さ5〜10cm、葉は厚くツヤがあり、2回3出羽状複葉。小葉はへりに鋸歯あり。夏には茎頂に小形の白い花を複散形状に密生させ、果実は丸く密集し、細毛のある果皮はコルク質で、稜著しく、熟すと種が散乱する。
[生薬]  浜防風:根茎や根は円柱形で、長さ10〜20cm。茎は0.5〜2cm、縦割りにする。黄褐色〜赤褐色。縦ジワやイボ状の隆起あり、横断面白色紛質でもろい。特異な弱い芳香と甘味有す。
[薬用]  根は発汗、解熱、鎮痛薬で、風邪などに5〜8gを水500ccで煎服する。
[成分]  根の成分は未詳。果実にフェロブテリンを含む。また脂肪油も含む。
[栽培]  薬用栽培。多少。専門技術が必要。排水良好地、地上より50〜60cm高くして苗を植付ける。露地でもよいが根は伸長しない。一般に種子まきの方がいい。