【ハマゴウ】
(蔓荊子) クマツヅラ科

 各地の海岸の砂地に自生する落葉小低木で、高さ30〜60cm。茎は長く、砂の上や中を横にはって根をおろす。葉は有柄の楕円形で対生し、裏面は細毛があり白色。夏、枝先に紫色の唇形の花を多数つける。
[生薬]  蔓荊子:10〜11月に果実を採集し、天日乾燥する。内部は四室になり、各室に一個の種子がある。特異な芳香と辛味がある。
[薬用]  消炎薬として用いられる。頭痛、喘鳴(ぜいめい)、かぜ、強壮薬として、果実6〜10gを水500ccで煎じ、1日3回温分服する。
[成分]  果実にフラボノイドのビテキシカルピンを含む。また、精油0.16%、脂肪油6.1%を含む。
[栽培]  繁殖力が強く、挿し木、とり木、種蒔きのいずれでも良い。日当りの良い乾燥地に植えると、2〜3年で一面に繁茂する。薄紫色の花をつけ、つぎつぎに実を結ぶ。