【ハッカ】
(薄荷)

 アジア東部に広く分布し、各地のやや湿った原野、路傍に自生または栽植の多年草。全株に短毛を密生する。葉は長楕円形で対生、先がとがり鋸歯有す。夏〜秋に、淡紫色小唇形花を輪散状をなして葉腋に多数開く。
[生薬]  薄荷葉:葉を陰干ししたもの。卵円形で特異峻烈な芳香を有す。味は、はじめやくようで、後に清涼。
[薬用]  葉は解熱、清涼、芳香健胃薬で1日10gを水6〜700ccで煎じ1日3回分服する。薄荷脳は薄荷油から製し、矯味、矯臭に菓子歯磨用に用いる。
[成分]  全草に精油1%を含み、主成分はメントール、アセチンメントール、メントン、ピネン、カンフェン、リモーネンなど、日本産のものはメントールが多く、やや苦味があり、西洋ハッカは香気に優れ専ら菓子用に、また日本のものはメントール製造用に用いられる。
[栽培]  多少水湿地を好み、栽培は容易。秋に株を掘り横走根茎の先を20cm切りとり苗として畦幅1m、株間30cmに植えつけ、1年たつと一面うめつくされる。毎年秋に植えかえるとよい。