【ヌルデ】
(五倍子) ウルシ科

 山野に自生する落葉小高木である。高さ5m、雌雄異株、葉にはしばしば、こぶ状の虫エイ(ちゅうえい)ができる。これはヌルテノミミブシアブラ虫の雌が4月に産卵し、幼虫が葉に寄生してできる、これが五倍子(ごばいし)である。

[生薬]  五倍子:11月に虫エイ(ちゅうえい)を集め、そのままか、蒸して天日乾燥する。
[薬用]  収れん薬とする。民間では急性、慢性腎炎に果実20gを煎服する。扁桃腺炎に、五倍子2gを100ccの水の煎液でうがいに用いる。
[成分]  五倍子にタンニン約70%含む。その他、没食子、樹脂、ロウ、脂肪、糖など含む。果実に白い粉をつけ、塩味あるものはリンゴ酸カルシウムである。
[栽培]  秋に種子をまくと、翌春芽を上げる。その苗を1年間育成管理し、高さ20〜30cmになれば、腐葉土をまぶした土に植え込む。