【ナツメ】
(大棗) クロウメモドキ科

 南欧、アジア西南部原産で日当りのよい各地の庭園や畑に栽植の落葉小高木。高さ約10cm、枝にしばしば刺を有し、葉は短柄、互生無毛。夏に淡黄色小花を葉腋に開く。葉は羽状複葉で小葉は卵形か長卵形、なめらかでツヤがあり鈍鋸歯を有す。果実は楕円形で黄褐色か茶褐色に熟しツヤがある。

[生薬]  大棗:ナツメの果実。楕円形、外面赤褐色でなめらかであらいしわあり、わずかに特異臭がある。味は緩和で微かに甘く、酸味を有す。
[薬用]  大棗は緩和、利尿、強壮薬で筋肉の急迫症状、牽引痛、咳嗽、身体疼痛などに用いる。普通甘草とともに1日3〜5gを水500ccで煎服する。民間で胃、解熱、緩下、鼻づまりなどに煎服しシモヤケ、アカギレにすりつぶして付ける。ヤケドには葉を乾燥してゴマ油と練って塗ると痛みを去る。多くの漢方薬の処方中に取り入れられている。
[成分]  蔗糖、粘液質、リンゴ酸、酒石酸及びベツリン酸アルフィトール酸のパラクマール酸エステル、サボニンとしてジチブスサボニンなどを含む。サボニンのジチプスサポニンは抗ストレス作用有す。アルコールエキスは抗アレルギー作用を有す。