【トウキ】
(当帰) セリ科

 山間の岩間に自生し、畑で栽植の多年草。茎は高さ40〜60cm、葉は2回3出複葉。葉柄の基は鞘をなし小葉は広披針形、鋭鋸歯、上面ツヤがある。夏〜秋に枝先に小白色花を複散形をなして多数開く。全草に特異な甘い芳香がある。日本北部山地のものはイワテトウキ(ナンブトウキ)といい、北海道ではマルバトウキ、韓国ではニオイウドである。
[生薬]  当帰:根を湯通しして乾燥、太い主根と分岐した多くの根からなる。長さ10〜20cm、径1〜2cm、外面暗褐色か赤褐色、縦じわ、横長に隆起した細根のあとがある。折面淡黄色か黄褐色、柔質、やや甘く、特異の芳香があり、わずかに辛味あり。
[薬用]  根は温性の浄血、鎮痛、鎮静、強壮薬として貧血症、於血症、婦人病薬に1日3〜4gを煎じ1日3回温服する。
[成分]  根に精油0.2%。その主成分はブチリデンフタライドでその他、ワレロフェノンカルボン酸エステル、ベルガプテンなどを含む。
[栽培]  やや専門的だが栽培しやすい。4月に種をまき、秋に本葉6〜7枚に生長。これを3月に掘り上げ根の長さ10cm、径8mmを選び、畦幅60cm、株間40cmに定植の後肥培管理して根を肥大させ秋に収穫する。栽培には必ず大和当帰を用いる。