【タイオウ】
(大黄) タデ科

 中国四川、青海省など高原地帯に自生の多年草。高さ2〜3m、根茎は円柱形で直下し、その底部から太い根を出す。根茎から多数の葉を出し、葉は大型の円形で互生し、掌状に中裂または浅裂し、裂片は不整に分裂。初夏に緑白色の小花を復総状に多数開く。果実には3稜あり、翼は黄色で紫色帯びる。
[生薬]  大黄:タイオウおよび近縁植物の根茎の皮を取り去って縦割りにしたもので、卵形〜不定形。長さ5〜10cm、径4〜6cm、外面黄褐色で横しわ多く、質は緻密で重く、折面は顆粒状で白色の中に黄褐色斑点や線状を交えて大理石様の紋理を呈し、この状況から錦紋大黄(キンモンダイオウ)とも称する。
[薬用]  大黄は瀉下、緩下、健胃、消炎剤で胃腸炎、消化不良、便秘などに粉末1回0.1〜0.3gを2〜3回服用する。漢方的には実証の人の病毒、特に便秘の下剤である。 また、胸腹満し、腹痛黄疸、便秘に用いる。ただし胃ケイレン、嘔気のときは用いてはならない。
[成分]  根にアンスラキノン系物質を約5%含み、それはクリソファノール、エモジン、アロエエモジン、レインなど、またはそれらの配糖体としてクリソファネイン、レオクリシンなどがあり、下剤成分はセンノサイドA、Bである。その他スチルベン系配糖体が得られている。また近時ラタンニンが得られた。ラタンニンは血中尿素窒素低下作用を示す。
[栽培]  寒冷地を好む。一般に栽培は難しく、唐大黄(カラダイオウ)は比較的栽培容易。大黄はほとんど輸入で一部北海道で栽培している。繁殖は秋の株分けか、種子を春にまいて定植して7〜8年肥培して収穫する。