【センブリ】
(当薬・トウヤク)リンドウ科

 山野に生息する越年草、高さ10〜30cm茎は四角形、葉は無柄で対生。秋には枝先に、美しい五弁花を開く、花弁は白色の長卵形で数条の紫色の条を有す。全草は、きわめて苦い。センブリの名は千回振出しても苦いからの意。
[製薬]  当薬(トウヤク)、センブリ、開花期の全草を天日乾燥したもの。茎型2mm、長さ20cm。新鮮なもの緑色、しだいに黄褐色に変化。微かに、臭気し、味きわめて苦く残留性あり。
[薬用]   全草は苦味健胃薬で消化不良、食欲不振に粉末で1回0.03g〜0.1g服用苦味チンキとして用いられる。民間では抜け毛、粃糖性脱毛症に全草2〜5gをアルコール100ccに浸した液を塗布。水虫に全草とトチの実の皮を除いたものを煎じ塗布する。
[成分]  全草に苦味質のスウェルチアマリン、スウェロサイド、アロマゲンチン、アマロスウェリン及びアルカロイド、ゲンチアニン等を含む。
[栽培]   水はけのよい半陰地に種子をまいておけば自然に芽を出す。ふつう春に床まきし寒冷紗を二重にしてトンネル状におおい、地表付近の温度を保つようにする。