【ジャノヒゲ】
(麦門冬) ユリ科

 産地の陰地や人家に栽植される多年草。葉は細く線形、多数叢生し長さ10〜30cm。初夏には葉の間から花茎をあげ淡紫色から白色の小花を開く。種子は球形で、碧紫色、ヒゲ根は多数出てところどころ小さく塊状にふくれる。塊状部を薬用にする。
[生薬] 麦門冬(バクモントウ)
根の塊状部を乾燥したもの。紡錘形で長さ1〜2.5cm、径0.5〜0.8cm、外面淡黄色〜褐色半透明で多く縦じわあり、切面淡黄色、柔質、ほとんど無臭、やや甘味あり粘液性。
[薬用]  塊根に4種のステロイド配糖体のオフィオポゴニンA、B、C、Dを含む。ブドウ糖、果糖、蔗糖などを含む。果実にフラボノイドのオフィオサイドを含有。
[栽培]  陰地の植物だが、根の塊部を多く収穫するときは陽地で肥料を多く用い栽培。一般に水位が高いと塊根も少なくなる。5月に株分けをし、1年間肥培し翌年5月収穫。葉の幅の広いものを選ぶ。